大判例

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東京高等裁判所 昭和28年(ネ)2043号・昭29年(ネ)56号 判決

被控訴人は、本件賃貸借契約においては、賃料の支払を一回でも怠つたときは、賃貸借契約は何等の意思表示を要しないで当然解除となる特約があつたもので、控訴人は昭和二十五年八月末日に支払うべき同年九月分の賃料の支払を怠つたから、本件賃貸借契約は同年八月末日限り解除となつた旨主張するので判断する。甲第一号証のうち、成立に争のない部分及び原審及当審証人真田孝治、当審証人岩崎武司、鳥居保男の各証言により真正に成立したと認める乙第二号証によれば、本件賃貸借においては、契約書の第六項に「借主ニ於テ違約ノ場合ハ直チニ貸主ニ於テ解除シ貸主ノ意思ニ依リ明渡シノ要求云々致サレル共借主ハ異議等申立ハ致サズ云々」なる約款が存することを認めることができるけれども、右約款の趣旨は、賃借人たる控訴人に債務不履行があつたときは、被控訴人において契約解除の前提たる催告の手続をなすことなく直ちに解除の意思表示をすることができることを定めたものと解するのを相当とし、被控訴人主張のとおり契約解除の意思表示すら必要としないで当然解除の効力を発生する趣旨を定めたものと認めがたい。

(浜田 仁井田 伊藤)

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